独身女性、一戸建てを買う。

新築一戸建てを購入したはなしを徒然なるままに。

『やがて君になる』感想

※この記事では『やがて君になる』第4巻までのレビューが書かれており、ネタバレされていますのでご注意ください。

 

 

きのう、注文していたすべての漫画が届きました。

 

やがて君になる

読み終わりました。

 

なかなか面白かったです。

 

女子校でもないのに登場人物にやたら百合が多いってことが気になりましたが、それは漫画だからね。

 

 

主人公の女の子は、もともと「誰も好きになれない自分」っていうのにコンプレックスを抱えている子で、友だちの恋バナに加われない自分に対して劣等感を抱いているんですね。

 

そこに現れたのが、新しく入学した高校で出会った1個上の女の先輩。

ある日彼女は、その先輩も自分と同様に誰も愛せない、誰も特別にならない性質なんじゃないか、って気になって相談を持ちかけるんですね。

 

ところが、相談を終えた直後、同じ性質だったはずの先輩は、主人公の女の子にフォーリンラブ状態になり、なんと告白!

 

そこから主人公が一方的な想いを寄せられて続ける、っていう展開なんですね。

 

 

そんで、しばらくの間はそういう状態が続くんだけど、徐々に主人公の気持ちに変化が生じてくるんですね。

つまり、自分も先輩のことが気になり始めると。

 

じゃあ、それでいいんじゃないかと。

両想いめでたしめでたしだと。

 

そうならないのが、この漫画の面白いところですね。

 

なんでかっていうと、

 

先輩が、この主人公を好きになった理由が、彼女が誰のことも「特別にならない」からなんですね。自分を好きにならないあなたが好き、と。だから、わたしのこと、嫌いにならないでね。でも好きにもならないでね。

 

っていう非常にねじれた、精神的束縛が為されているんですね。

 

そうなると、徐々に先輩に惹かれ始めている主人公にとっては、想いを秘め続けなければならない、もしくは自分の想いに蓋をして気づかないふりをしなければならないっていう事態になるわけですね。

 

 

この漫画で、非常に印象的なフレーズがあって、ちょっと今電車で手元に漫画がないので正確には伝えられないんですけど

 

 

「好きは束縛することば」

「好きは暴力的なことば」

 

 

みたいなニュアンスのフレーズがあるんですよ。これ、以前の記事にも書いたんですけど、すげえ同意できるなと思って。

どういう意味かっていうと、

「好き」っていうのは、今の自分を好いてくれてるから発せられることばであって、今の自分が維持されなければ、それと同時に失われることばであると。だから「今のわたしで居続けてね」っていうメッセージでもあると。

 

と、まあ、こういう感じなんですね。

 

 

この先輩は、わけがあって、「完璧を演じ続けている」ところがあるので、このことばっていうのはある意味、プレッシャーなんですね。

 

だから、「誰も好きにならない。わたしは誰も特別にならない」と宣言した主人公に対して安心して想いを寄せることができると。

 

 

はい、まあそんな感じのねじれた話です。

 

 

わたしが好きな場面は

 

 

たしか4巻で、主人公が槇くんに

「だってわたしは誰も好きにならないもん」っていう場面(主人公の表情が秀逸)

そして、槇くんがその表情に対して心のなかで突っ込むという。

 

 

あと

 

体育祭のリレーで、先輩が走っているときに、主人公の視界から先輩以外のすべてのひとの姿が消えていく場面ですね。先輩しか、うつっていない。

 

 

素晴らしくいい場面です。このとき、自分の気持ちに気づくんですね。ここ泣けました。

泣くポイントがずれてるかもしれません。

 

 

そんな感じで面白かったです。

 

でも、べつにこれは百合じゃなくてもよいかもしれません。百合だからいいのか?

よくわからん。